どーもアグリです。
今回は植物ホルモンの【サイトカイニン】について!!
サイトカイニンの役割とは
サイトカイニンの役割は大まかに言って
- 老化抑制
- 芽・茎・葉 形成の誘導
- 腋芽(えきが)形成と腋芽(えきが)成長の促進
- カルスの形成や細胞分裂の促進
※腋芽は側芽やわき芽のことです。頂芽より下の葉っぱの付けねの芽のこと
サイトカイニンは若返りのホルモンのイメージ!!
サイトカイニンの商品名はビーエー液剤です。
価格:825円 |
他には癒合剤等にも使われています。
サイトカイニンは根で作られる植物ホルモンなので、
根の活力が高いとサイトカイニンの生成が多くなり、
サイトカイニンが根から葉へ送られ蒸散や光合成が活発になります。
逆に考えると葉っぱが老化していたりすると、根が傷んでいると判断できます。
これは農業をやっていたら判断材料として使えると思います。
みかんの樹で見かけるカルスを形成するサイトカイニン
『カルス』ってあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、
果樹を育てている人なら耳にしたことはあると思います。
これです!!
剪定の後に切った切り口がコブみたいに巻いているやつです。
これを『カルス』といいます。
このカルスを形成するのにサイトカイニンが関係しています。
カルスを巻かせるには、オーキシン(植物ホルモン)も必要になってきます。
カルスが増殖する条件は、
サイトカイニンとオーキシンの比率 | |||
サイトカイニン | 1 | 大 | 小 |
オーキシン | 10 | 小 | 大 |
【働き】 | カルス増殖 | 芽が分化 | 根が分化 |
カルスはオーキシンとサイトカイニンの比率が,
10:1の時に最も増殖し、
さらに、サイトカイニンの濃度を上げてオーキシンの濃度を下げれば芽が分化を始めます、
逆にサイトカイニンの濃度を下げてオーキシンの濃度を上げれば根の形成の方になります。
オーキシンは葉で作られ枝の下側を通って根に送られます。
ですので剪定後、カルスを巻かせる為には、
枝の下側面を切るとカルスが巻きやすくなります。
それ以外を切ると、切ったところから枝が枯れこんでいきます。
こんな感じ
もしくは、カルスが巻かない場所を切ったら
癒合剤を塗らないと枝が枯れたり樹が弱ってきます。
うまい剪定とは剪定した後にカルスが巻き、枝が枯れこまない剪定です。
サイトカイニンの他の重要な役割
サイトカイニンの他の役割として
他には、『葉っぱの老化を抑える』。
根でサイトカイニンが活発に作られれば、
それが葉っぱに送られるので葉の色が緑色に保たれます。
逆に言えば、旧葉でない葉が黄化した樹があれば根が傷んでいると思っていいです。
ですので、黄化した葉を見つけたら水をやる等、早めの対処をした方がいいです。
ですが、母枝まで黄色くなっている葉はいくら水やりをしても難しいです。
これは今回の話しの内容とは違うので省きます。
あとは、サイトカイニンは『腋芽の形成を促す』。
頂芽が残っていると普通、腋芽は成長しにくいのだが、
頂芽が残ってい状態で腋芽にサイトカイニンを与えると、腋芽が成長を始めます。
ですので、サイトカイニンは腋芽抑制を解除する役割もしています。
これを応用すれば、頂芽だけでなく腋芽からも意図的に芽を出させることが可能です。
これを応用して作られたのが、
植物ホルモンの一種であるサイトカイニンと類似の作用を示すベンジルアミノプリンを主成分とする
植物成長調整剤ビーエー液剤 10ml
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温州みかんで新梢発生促進、着花促進(ハウス栽培)に効果があります。
こういうのも植物ホルモンを応用した物です。
ということで、今回はサイトカイニンについてでした!